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公益性の高い企業を認証する制度「B Corp認証」取得に向けて、インターグが取り組んできたこと

目次

近年、環境や社会に配慮した公益性の高い企業に与えられる「B Corp(Bコープ)」という認証が注目を集めています。

B Corp認証は、2006年に米国で設立された非営利団体「B Lab」による認証制度です。
ガバナンス、従業員、コミュニティ、環境、顧客の5 つのカテゴリーにおいて企業のパフォーマンスを評価・認証する制度で、
国外だけでなく日本国内でも取得する企業が年々増えています。

B Corp認証についての詳しい情報は、過去にこちらの記事でご紹介をしておりますが、
インターグでもB Corp認証取得をすべく、これまで様々な施策の立案や実施、さらには会社として社会や環境にどのように関わっていくべきかを、何度も見つめ直してきました。

現状、まだBcorp認証を取得することはできていませんが、今回の記事ではB Corp認証取得に向けたインターグのこれまでの軌跡を振り返ります。


「B Corp認証」とは


B Corp認証取得に向けた軌跡を振り返る前に、まずはB Corp認証について簡単におさらいしましょう。

そもそも「認証」という言葉を聞くと、皆さんはどんなものをイメージしますか?

最近ではスーパーマーケットなどで買い物をするとき、「オーガニック認証」「国際フェアトレード認証」「レインフォレスト・アライアンス認証」...など
様々な認証マークが製品パッケージに表示されていることがありますが、これら一つひとつの認証に、異なるマークや意味が込められています。


今回のテーマである「B Corp認証」は、社会や環境に配慮した公益性の高い企業に対する、国際的な認証制度です。
B corpという言葉の由来は「B Corporation(Bコーポレーション)」からきており、B Corporationの「B」は、Benefit(ベネフィット:便益)を意味します。



B Corp認証の特徴

B Corp認証は、アメリカの非営利団体「B Lab」によって運営されています。

B Labによる評価はとても厳しい基準で行われますが、B Corp認証を取得すると、持続可能性・透明性・説明責任・社会と環境へのパフォーマンスの分野で評価基準を満たしている企業だと証明されることになります
そのため、従業員や消費者、地域社会、企業(サプライヤー)などから信頼を得ることにも繋がります。

また、B Corp認証は3年おきに再認証を取得する必要があるため、一度取得して完結するものではありません。
会社として社会や環境への関わりや事業活動を継続的に見直し、改善し続けることができます。


B Corp認証を取得するには?

B Corp認証を取得するには、まずB Labによる認証試験「B Impact Assessment(Bインパクト・アセスメント)」に回答し、80点以上を取得する必要があります。(80点を超えないと、申請ができません)

「B Impact Assessment」では、ガバナンス、従業員、コミュニティ、環境、顧客の5つのカテゴリーに関する質問が用意されています。質問の数は全部で約180問〜200問ほどとなっており、各カテゴリーの総得点が、認証を取得する際の審査に使われることになります。

さらに、回答に関連する資料を提出するほか、B Labチームとの面談を経て、認証の可否が決定されます。


B Corp認証との出会い

インターグでは、B Corp認証取得を目指し、会社として改善すべき課題の明確化や、改善施策の企画・実施などに取り組んできました。

そもそもインターグがB Corp認証を取得を目指すことになったきっかけは、インターグの代表の那須が『パーパス 「意義化」する経済とその先』という1冊の書籍と出会ったことから始まります。

私も以前この書籍を読んだことがあるのですが、「パーパス(=企業の社会的存在意義)」と、書籍の中でも触れられている「B Corp認証」が目指すものには重なりあう部分があり、互いの親和性の高さが感じられます。

この書籍と出会ったことをきっかけに、「インターグでもB Corp認証を取得したい」という思いが強くなり、私たちはB Corp認証取得に向けて大きく動き始めました。


2022年、プロジェクトが開始

2022年3月、B Corp認証取得に向けたプロジェクトがスタートしました。

そもそもB Corp認証は質問内容が全て英語で記載されており、回答も全て英語で記載をする必要があります
そのため、まずはメンバーと質問を1つ1つ日本語に翻訳しながら、内容を確認する作業を行いました。

正直、この作業はなかなか大変でした。

Web翻訳ツール(Deep LやGoogleの翻訳機能)を活用しながら翻訳するも、日本と海外の制度や文化の違い、質問の微妙なニュアンスや表現に悩み、選択肢に迷いながら回答を進めていく作業が続きました。

この時点で140問以上の質問に回答し、スコアは50点台。
認証取得のボーダーラインまでは30点以上が必要で、まだまだ伸び代がある状態でした。



会社の強みと、足りない部分を考える

そもそもB Corp認証の考えは「いかに良い会社であるか」を図る指標です。

「まだ私たちは50点台だから、何がなんでも残りの約30点を取る!」と得点に目を向けるのではなく、
自分たちの強みはどこで、足りていないところはどこか」を考えることが重要です。

私たちの場合、アセスメントの内容を見てみると「従業員」の項目はベンチマークと比較しても得点が高く、全体の項目の中でも特に評価されている項目が多いことがわかりました。

一方で、「環境」「ガバナンス」「顧客」の項目では、会社の指針となるサステナビリティポリシー等が策定されていないことや、デジタルマーケティング企業として、環境や社会への具体的な施策を実行できていない点など、改善できる課題が多くあることが明確になりました。


「B Corp集中プロジェクト」の実施

社内での検討以外にも、日本国内でB Corp認証の認証取得コンサルタントをされている方のアドバイスを頂いたことや、アセスメントを通じて具体的な改善点を知り、新たな施策にも取り組んだことで得点が15点以上アップし、2024年9月末の時点でのスコアは65.5点でした。

私たちは更に良い会社を目指すために、ほぼ丸1日B Corp認証に集中する時間を設け、「B Corp集中プロジェクト」を実行しました。

なお、このプロジェクトは、現在のインターグのオフィスのすぐ近くにある「文喫」にて行いました。
文喫は、入場料を支払って本を自由に読める新しい形の本屋さんです。

フリードリンクもあり、素敵な空間の中でとても快適に過ごすことができました!

B Corp集中プロジェクトでは、今までの回答を様々な視点から見直し、
「この質問は、現在○○チームでこういった施策に取り組んでいるから、こっちの選択肢に該当しそうだね」など社内でアップデートをした内容の共有や、
「会社として、新しくこういう取り組みをするのはどうかな?」など、新たな改善施策をチームで提案し合いました。

最新の得点(2024年10月現在)

B Corp集中プロジェクトを通じて、解答の見直しや改善施策を行った結果、最新のスコアは76.5点となりました。

特に「ガバナンス」や「環境」、「従業員」の項目の評価が上昇して結果的に10点ほどアップしました。
認証取得の申請可能なボーダーラインまで、あと少しです。

これからに向けて

私たちはB Corp認証と出会ってから、様々な視点で会社の在り方を考えるようになり、一歩一歩、より良い方向へ改善を重ねることができました。

B Corp認証は完璧を求めているものではなく、改善を続けていくプロセスに意味がある認証だと考えます。
B Corp認証を取得するには80点以上というハードルはありますが、今後もより良い会社を目指して改善を続けていきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

今後もブログにてB Corp認証取得に向けた情報を発信していきますので、ぜひお付き合いただけますと幸いです!

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